vendredi 28 juillet 2006
さて、大会前日。
ひさびさに太陽さんが顔を出したので、
ふとんを干し、洗濯機を回すこと4回、そのあいだ、
たまってたメールやコメントへのお返事、
大使館への連絡にその他もろもろ、お昼過ぎにはやっと、
アンちゃんをアキバへ連れてく義務も果たし。。。
帰ってきたら、ぽってぃんは相手役の子と、電話でおしゃべり。
わたしのデスクの横で大声で話してるんだもの、
聞くまいとしても聞こえちゃうってば、話の内容。
っていうか、聞いて欲しいのか?くらいの勢いで話してる。
どうやら、自殺願望について相談されているらしい。
「インターネットでそういうサイト、たくさんありますよ。
いってみたほうがいいと思います〜〜〜」とぽってぃん。
おいおいおい、そんなこと、軽はずみに口にしちゃダメだってば!
確かに、同じ悩みをもつ仲間に会えて、救われることもあるけど、
あおるヤツもいるし、集団ヒステリーにだってかかりやすいんだから。
なんて説明してる間もない!
緊急事態だと思ったわたしは、受話器の向こうに聞こえるように、
「そんなに死にたいなら今すぐウチにこい!
自殺ってのがどんなことか、教えてやるぞ!!」
それを忠実に伝えるぽってぃん・・・
なーんてえらそうにいったものの、
それを聞いてどうやら、本当にウチに来る気になったその子に、
なにをどうすればいいのかなんて、わかんない・・・
軽はずみなこと口にしてるのは、わたしじゃないか!
でもとにかく、それで何年も苦しんできたんだから、
どうにかできるかも・・・
一生消えることのない、手首に刻んだ無数の傷跡でも見せたら
彼は考え直してくれるだろうか?
なんて、自分勝手で傲慢な良心で、また無責任な発言しちゃった。
だから、それじゃ偽善者だってーの!
彼はビビって、最後には「わ、わかりました・・・」と
電話を切ったらしい。ああ、わたし、サイテー!!!
*****
そして、その夜はもうくたくたで、11時には寝たんだけど。
明日はぽってぃんの本番・・・絶対に寝坊できない!!
と自分に言い聞かせてたので、なんかすごい焦燥感で、
遅刻だ、ヤバイーッッッ!と飛び起きたら夜中の2時・・・。
気持ちが高揚しちゃって、それからも眠れず、
4時までパソコンでちょっと翻訳作業をして過ごし、ちょっと仮眠。
「ママは絶対迷子になるから」と、
他の部員たちとともに8時5分前に駅前、との招集がかかり、
目も覚めないうちに、子どもたちと一緒にフラフラと会場へ。
会場では生徒と先生以外、誰もまだきてなくて、
眠気覚ましと時間つぶしに一服しようと
外の喫煙所にいったものの、ライター忘れた・・・
となりでたばこを吸ってた黄色いシャツのオッちゃんに借りました。
*****
さて、全ての学校の発表が終わって、
いつものように、プロの演劇家の先生がそれぞれの学校に
丁寧にしてくださる講評・技術指導を見ようと待っていたら、
緞帳が上がって現れたのは、あれ?
さっき見た、黄色いシャツのオッちゃん・・・
うわっっっ
ライター借りちゃったよ!!
今回は、無礼なこと、いってないよね?してないよね?
ただの通りすがりの喫煙者にしか見えなかったんだけど。
それにしてもさすが、やっぱり違いますね。見てるところが。
照明や暗転・明転、効果音の使い方、舞台背景の設定の矛盾、
小道具や大道具の位置関係の指摘、滑舌をよくする方法、
声を思い通りの方向に飛ばす方法から心理学的なことまで・・・
うんうん、と、深く頷きながら聞き入ってしまいました。
そんな理路整然としたアドバイスの中、初めて・・・
今からすごく親バカなバカ親発言しますよ、いいですか?
初めて、そのオッちゃん先生が、
役者としてのぽってぃんに賞賛のことばをくださったの。
「あの、少年をやってた子・・・
なんていうのかな、すごく感覚がイイね。センスがある。
なんでかは説明できないんだけど・・・
ボクにも分からないんだけどさ、とにかく、センスがあるよ。
すごくよかった。」
こころの中で、狂喜乱舞する母親。
あんなに論理立てて、テクニカルなことから演技指導まで
してくださるオッちゃん(失礼♪)からの、
「説明のつかない感覚の良さ」というおことば。
これ以上の誉めことばはないです。。。
分野は違えど、活動停止中といえど、
いちおう、同じアーティストとしてそう感じたのです。
ほんと、親バカ度1000%ですね。
でもこれは、
「日本にいるうちに、今ここでしかできないすべてのことを、
精一杯やっておきたい」といって、実行してきた彼女の功績。
別々の帰り道で考えました・・・
このまま、フランスに連れていってほんとうにいいのだろうか。
彼女の演技を見たときには、ビックリしました。
今まで彼女のやっていることをしっかり見てきたのだろうか。
母親として彼女が安心できるように支え、理解していたのだろうか。
恥ずかしいけど、この自分への問いかけに、
NO としか答えられませんでした。
3年生がこの大会を最後に去ったあと、ぽってぃんは部長になる。
発声などの基礎連も怠らず、演技や表現力を地道に養い、
活動の方向性や、芝居に対する解釈なんかも、
先輩たちに物怖じせずにディスカッションしてきたのに、
仲間たちとの関係もしっかりと築き、深めてきたのに、
最後の大会にも出ないまま、完全燃焼しないまま、
わたしの都合で連れてっていいのだろうか。
責任感が強すぎるほどの彼女に、
後輩たちを残して去ることができるのだろうか・・・
いろいろ考えた末、
「卒業までがんばりたいなら、それまで待ってるよ。」
と伝えました。
彼女は目を輝かせて、「ええ!!ほんとうにいいの?」と。
それでも、すぐにそれを振り払うように、
「アントワーヌも楽しみにしてるんだし・・・」と彼女。
どちらを選んでも、彼女にとって辛いのは確か・・・
「わたしのせいでママとアントワーヌは我慢してる」と
自分を責めることも分かってるし、そうして欲しくない。
今できることを精一杯やっている彼女のように、
わたしも、また家族みんなで集まって暮らす日のために、
土台作りに専念しなくちゃ・・・ううん、そうしたい。
だから、しばらくは離ればなれだけど、
それぞれの人生の準備をはじめようね、とふたりで決めて、
ぽってぃんは卒業までおばあちゃんのうちに残ることになりました。
大会のあと、相手役の男の子に
「おまえんちって、ほんとうに『家族』だな・・・」
なーんていわれたと、焼き肉パーティーの最中に、
誇らしげに報告してくれた彼女。
みんなの前だったので、冗談を飛ばしながら涙をこらえたけれど、
これなら離れててもだいじょうぶかな、って思っちゃいました。
さて、相手役の男の子といえば。
「そういえば、彼はだいじょうぶなの?
まだ自殺とかいろいろ考えちゃってるのかな?」
役に入りすぎてたんじゃないかと心配になってたずねたところ、
「ああ・・・あれは自殺願望について、
いろんな人の意見を聞いてまわってたんだって。」
なんだ、役作りのためだったのね・・・。
彼も、迫真の演技してたもんなぁ、すごかったもんなぁ・・・。
そこまでできるなんて、中学生、舐めたもんじゃありません。
またクソ真面目に、ひとり芝居の茶番劇してしまいました。
そして今日も自己嫌悪・・・もう笑うしかないね。